概要
ホームページ制作を業者に依頼するとき、いきなりデザインやワイヤーフレームの話から始めると、目的が曖昧なまま進んでしまうことがあります。
見た目を新しくすることは大切です。しかし、ホームページは単なるデザインの箱ではありません。
誰に見せるのか。何を伝えるのか。どの行動につなげたいのか。公開後に誰が更新するのか。既存ページやSEO評価をどう扱うのか。
これらを整理しないまま制作を進めると、見た目は新しくなっても、問い合わせが増えない、更新できない、検索流入が落ちる、といった問題が起きることがあります。
いきなりワイヤーフレームから始めない
ホームページ制作では、ワイヤーフレームやデザインカンプを使って画面構成を確認することがあります。
しかし、ワイヤーフレームはあくまで構成を整理するための道具です。
なぜリニューアルするのか。誰に見せたいのか。何を問い合わせにつなげたいのか。どの情報を優先すべきなのか。
これらが決まっていない状態でワイヤーフレームを見ても、正しく判断できません。
特に、Web制作に慣れていない発注側にとって、色や写真、実際の文章が入っていないワイヤーフレームだけで完成形を想像するのは簡単ではありません。
そのため、ホームページ業者との打ち合わせ前には、まず目的と前提条件を整理しておくことが重要です。
1. なぜホームページを作るのか
最初に整理すべきなのは、ホームページを作る目的です。
- 会社の信頼感を高めたい
- 問い合わせを増やしたい
- 採用応募を増やしたい
- サービス内容を分かりやすくしたい
- 既存サイトが古くなった
- スマホで見づらい
- SEOを強化したい
- 営業資料の代わりに使いたい
目的によって、必要なページも導線も変わります。
問い合わせを増やしたいサイトと、採用応募を増やしたいサイトでは、見せるべき情報が違います。
「とりあえず今風にしたい」だけで進めると、見た目は変わっても成果につながりにくくなります。
2. 誰に見せたいのか
次に、誰に見せたいサイトなのかを整理します。
- 新規顧客
- 既存顧客
- 採用候補者
- 取引先
- 金融機関
- 協力会社
- 地域の人
- 行政・自治体
見る人によって、必要な情報は変わります。
新規顧客向けなら、サービス内容、料金感、実績、問い合わせ導線が重要になります。採用向けなら、働き方、職場の雰囲気、募集要項、社員紹介が重要になります。
誰に向けたホームページなのかが曖昧だと、ページ全体の優先順位も曖昧になります。
3. 何をしてほしいのか
ホームページを見た人に、最終的に何をしてほしいのかも整理しておきます。
- 問い合わせしてほしい
- 資料請求してほしい
- 電話してほしい
- 採用応募してほしい
- 店舗に来てほしい
- 予約してほしい
- サービス内容を理解してほしい
- 会社の信頼性を確認してほしい
この行動が決まると、CTAや導線設計が変わります。
問い合わせを増やしたいなら、サービスページ、実績、FAQ、問い合わせフォームまでの流れが重要です。採用応募を増やしたいなら、募集要項だけではなく、会社の雰囲気や働き方を伝える導線が必要になります。
4. 既存サイトの何を残すか
リニューアルの場合、既存サイトの扱いも重要です。
既存ページには、検索エンジンに評価されているページや、外部からリンクされているページが含まれている場合があります。
それを確認せずにページを削除したり、URLを変えたりすると、検索流入が落ちることがあります。
- 残したいページ
- 削除してよいページ
- アクセスが多いページ
- 問い合わせにつながっているページ
- 外部リンクされているページ
- Google Search Consoleで表示されているページ
- 旧URLから新URLへのリダイレクトが必要なページ
フルリニューアルでは、見た目だけでなく既存資産の引き継ぎも考える必要があります。
5. どの情報を更新できるか
ホームページは公開して終わりではありません。
お知らせ、実績、採用情報、サービス内容、料金、FAQなどは、公開後に更新が必要になることがあります。
そのため、打ち合わせ前に「誰が何を更新するのか」を考えておく必要があります。
- 社内で更新するのか
- 業者に依頼するのか
- 更新頻度はどのくらいか
- CMSが必要か
- 静的サイトで十分か
- お知らせ欄は本当に必要か
- 採用情報は誰が管理するか
更新体制がないのに、お知らせ欄やブログ機能を作っても、放置される可能性があります。逆に、頻繁に更新する前提なら、管理画面や更新フローが必要になります。
6. 予算と優先順位
ホームページ制作では、やりたいことをすべて入れると費用も期間も増えます。
そのため、事前に優先順位を整理しておくことが重要です。
- 必ず必要なページ
- できれば欲しいページ
- 後から追加できる機能
- 今回は不要な機能
- 初期公開後に改善する部分
最初から完璧なサイトを作ろうとすると、公開まで時間がかかります。
特に中小企業の場合は、最初に必要最低限の構成で公開し、運用しながら追加・改善していく方が現実的なこともあります。
7. 参考サイトをどう見るか
打ち合わせ前に参考サイトを用意することは有効です。
ただし、「このデザインが好き」だけで選ぶと、目的と合わない場合があります。
- 見た目が好き
- 情報の並びが分かりやすい
- 問い合わせ導線が良い
- 採用ページが分かりやすい
- スマホで読みやすい
- 写真の使い方が良い
- 文章のトーンが近い
参考サイトは、丸ごと真似するためではなく、何を良いと感じたのかを言語化するために使うものです。
8. 写真・文章・実績を用意する
ホームページ制作で意外と止まりやすいのが、素材の準備です。
- 会社ロゴ
- 代表写真
- 社内写真
- 商品写真
- 施工写真
- 実績
- お客様の声
- 会社概要
- 事業内容
- 採用情報
- よくある質問
これらが揃っていないと、制作側は仮の文章や仮画像で進めることになります。
仮の状態でデザインを確認しても、実際の内容が入ったときに印象が変わることがあります。特に写真と文章は、サイトの印象を大きく左右します。
9. 公開後の運用を考える
公開後に何を確認するかも重要です。
- Google Search Console
- Google Analytics
- Microsoft Clarity
- 問い合わせ数
- 検索表示回数
- クリック数
- どのページが読まれているか
- どこで離脱しているか
- どの導線が使われているか
ホームページは公開して終わりではなく、公開後に改善していくものです。
そのため、打ち合わせ前から「公開後にどう見るか」を考えておくと、制作内容も変わります。
Time合同会社での考え方
Time合同会社では、ホームページ制作を「見た目を作る作業」だけとは考えていません。
ホームページは、会社の情報資産であり、営業導線であり、採用導線であり、信頼形成の場です。
そのため、いきなりワイヤーフレームやデザインの話に入るのではなく、まず目的、対象者、導線、既存資産、更新体制を整理することが重要だと考えています。
特にフルリニューアルでは、既存ページやSEO評価を壊さないことも大切です。
見た目を新しくすることよりも、誰に何を伝え、どの行動につなげ、公開後にどう運用するか。そこを整理した上で、デザインや実装に進むべきです。
まとめ
ホームページ業者と打ち合わせる前に準備すべきことは、デザインの好みだけではありません。
なぜ作るのか。誰に見せるのか。何をしてほしいのか。既存サイトの何を残すのか。誰が更新するのか。予算と優先順位はどうするのか。公開後にどう改善するのか。
これらを整理しておくことで、打ち合わせの質は大きく変わります。
ワイヤーフレームやデザインカンプは、目的が整理された後に使う道具です。
先に決めるべきなのは、見た目ではなく、ホームページの役割です。
