ショートカットキーの勧め

自動化より先に全員の手元を速くする

自動化は業務を変える施策、ショートカットキーは全員の手元を速くする施策です。日常操作の摩擦を減らすことは、地味ですが費用対効果の高い業務効率化です。

自動化より先に、毎日の操作を速くする

業務効率化というと、自動化、RPA、AI、SaaS導入を考えがちです。もちろん、それらが有効な場面はあります。

ただし、すべての業務が最初から自動化に向いているわけではありません。業務フローが整理されていない、入力ルールが揃っていない、例外処理が多い状態で自動化を急ぐと、仕組みの方が複雑になります。

一方で、ショートカットキーは今すぐ効きます。コピー、貼り付け、保存、検索、元に戻す、画面切り替え。毎日の操作が少し速くなるだけで、全社員の作業時間に効いてきます。

自動化は業務を変える施策です。ショートカットキーは、全員の手元を速くする施策です。

ショートカットキーは小技ではない

ショートカットキーは、パソコンに詳しい人だけが使う小技と思われがちです。しかし実際には、業務PCを使う人にとっての基礎スキルです。

マウスでメニューを探し、右クリックし、項目を選ぶ操作は分かりやすい反面、毎回少しずつ時間がかかります。1回あたり数秒の差でも、1日に何十回と繰り返せば大きな差になります。

特に、Excel、メール、ブラウザ、チャット、ファイル操作を毎日使う職場では、基本的なショートカットキーを覚えるだけで作業のリズムが変わります。

速くなるだけではありません。手元の操作に迷わないことで、思考が途切れにくくなります。

全員に効くから費用対効果が高い

ショートカットキーの強みは、全員に効くことです。

一部の業務だけを自動化する場合、その対象業務に関わる人には効果があります。しかし、ショートカットキーはほぼすべてのPC作業者に効果があります。

しかも、新しいSaaSを契約する必要も、複雑なシステムを作る必要もありません。よく使う操作を絞り、社内の共通スキルとして覚えるだけです。

全社員が毎日使う操作を改善する施策は、地味ですが効果が広いです。

社内では毎週1つだけ覚えるくらいでよい

ショートカットキー教育で失敗しやすいのは、最初に一覧表を配ることです。大量のキーを見せられても、多くの人は覚えません。

社内で広げるなら、毎週1つだけで十分です。今週は検索、来週は保存、次は画面切り替え。日常業務の中で使う操作をひとつずつ置き換える方が定着します。

大事なのは、知識として覚えることではなく、手元の動きに変えることです。全員が少しずつ同じ操作を速くするだけでも、会社全体の作業感は変わります。

Excel作業では特に効果が大きい

Excelを日常的に使う職場では、ショートカットキーの効果が特に大きくなります。

セル編集、コピー、貼り付け、検索、フィルター、範囲選択、シート移動、保存。Excelでは細かい操作が何度も発生します。ここをすべてマウスで行うと、作業のたびに手が止まります。

Excelを完全に自動化する前に、まず基本操作を速くするだけで改善できることは多くあります。毎日Excelを開く人が多い会社では、全員が少しずつ速くなる効果は大きいです。

ショートカットキーは業務改善の入口になる

ショートカットキーを覚えることは、単なる時短にとどまりません。業務改善の入口にもなります。

ショートカットキーを使うようになると、同じ操作を何度も繰り返していることや、毎回コピーや検索で時間を使っていることに気づきやすくなります。

その結果、これは関数で済むのではないか、これは入力フォームにした方がよいのではないか、これは自動化できるのではないか、という発想につながります。

ショートカットキーは自動化の代わりではありません。自動化すべき作業を見つける入口にもなります。

まとめ

業務効率化は、必ずしも大きな自動化やAI導入から始める必要はありません。社員全員が基本的なショートカットキーを覚えるだけでも、日々の作業時間は確実に減ります。

ショートカットキーは小技ではなく、PCを使う人の基礎スキルです。コピー、貼り付け、保存、検索、画面切り替え、Excel操作のような毎日の操作が速くなるだけで、仕事のリズムは変わります。

自動化は、業務を変える施策です。ショートカットキーは、全員の手元を速くする施策です。

自動化するよりも先に、社員全員が基本的なショートカットキーを覚える。これは地味ですが、かなり現実的な業務効率化です。