概要
従来のホームページ制作では、まずExcel、設計書、CMS、データベース、原稿管理表などを整理し、その後にWebサイトへ反映していく流れが一般的でした。
つまり、先に情報を整理し、構造を決めてから、Webページを作るという順番です。
しかし今回、Time Columnsでは生成AIとCodexを使い、従来とは真逆の流れを実際に試しました。
行ったのは、単なる用語解説ページの作成ではありません。SEOとしての用語集設置です。
用語集というコンテンツをサイト内に置き、検索エンジンにインデックスさせることで、検索流入の導線を増やすことを目的にしました。
サイト全体では67HTMLページまで拡張されました。初回の用語集立ち上げから最新追加まで、実装、検証、sitemap更新、GitHubへのpushまで含めて約95分で完了しています。
従来であれば、ディレクター、SEO担当、編集者、コーダー、CMS担当、確認担当などに分かれ、工程ごとに数日かかっていた作業です。
それを、生成AIが一気通貫で処理することで、圧倒的な時間短縮が起きました。
従来の制作工程
一般的なホームページ制作では、まず情報整理から始まります。
Excelでページ一覧を作る。サイトマップを作る。原稿管理表を作る。CMSの投稿項目を決める。カテゴリやタグを設計する。その後、HTMLやCMSに反映する。
つまり、先にデータベースや設計書を作り、それをWebサイトへ落とし込むという流れです。
通常のホームページ制作工程
- 目的の明確化
- 現状分析
- 市場調査
- ターゲティング
- SEO戦略
- 要件定義
- RFP
- サイトマップ
- ワイヤーフレーム
- インフラ設計
- 素材準備
- ライティング
- 写真・動画
- コーディング
- CMS構築
- 各種テスト
- プロモーション
- 方針策定
- ルール整備
- 更新・改善
この進め方自体は、今でも必要です。特に大規模サイトや関係者が多いプロジェクトでは、事前設計は重要です。
ただし実務では、ここに多くの人が関わります。マネージャー、Webディレクター、デザイナー、ライター、エンジニア、インフラ担当、ホームページ業者、社内確認者などです。
役割が分かれるほど、確認、調整、差し戻し、認識合わせが発生します。つまり、作業時間そのものよりも、工程間の受け渡しに時間がかかります。
設計段階で止まる理由
もちろん、設計は重要です。
しかし実務では、Webサイト制作の前段階で時間がかかりすぎることがあります。
カテゴリをどう分けるか。どの記事をどこに置くか。用語をどう整理するか。どこまでCMS化するか。誰が原稿を書くか。更新ルールをどうするか。
こうした話し合いは大切ですが、そこで止まりすぎると、肝心のページが増えません。
特に中小企業のホームページリニューアルやオウンドメディア運用では、発注側が用語や工程を理解していないまま進むこともあります。
その結果、目的が曖昧なまま進む、デザインだけ刷新される、SEOが後回しになる、更新しづらいサイトになる、公開後の運用が止まる、といった問題が起きます。
今回のTime Columnsでは、この順番を少し変えました。最初から完璧なExcelやCMS設計を作るのではなく、まずWebサイトとして形にし、その後でAIに構造を整理させる流れを試しました。
SEOとしての用語集設置
今回Time Columnsで行ったのは、単なる用語集の拡張ではありません。
目的は、SEOとしての用語集設置です。
用語を解説すること自体が目的ではなく、用語集というコンテンツをサイト内に置き、検索エンジンにインデックスさせることで、サイト流入の導線を増やすことを狙いました。
もともと、Webサイト運用、SEO、DX、生成AI、AppSheet、クラウド、データベース、セキュリティなどに関する用語が、雑多な状態で存在していました。
中には、過去のホームページリニューアルや業者との打ち合わせのために整理していた用語も含まれていました。
従来であれば、まずExcelに整理し、カテゴリを決め、説明文を作り、CMSやHTMLへ反映する流れになります。
しかし今回は真逆です。
まず、実務で使っていた用語リストをAIに渡し、SEO導線として機能するようにカテゴリ分けされたWebページを作成しました。
その後で、HTMLからカテゴリ、用語、意味、URLを抽出し、Excel形式へ再出力しています。
Webサイトを先に作る
↓
AIが構造を理解する
↓
後からExcelに戻す
これは、従来の「Excel、設計書、CMS、HTML、公開」という順番とは真逆です。
意味調査もAIに任せた
今回の用語集では、用語の意味を一つずつ人間が調べて書いたわけではありません。
用語の一覧はこちらで用意し、その意味の整理、言い換え、3行程度の説明文への圧縮はAIに任せました。
これは、今回の目的が論文や専門書を書くことではなく、SEO用の知識構造を作ることだったからです。
もちろん、すべての説明に絶対的な正確性を求める分野であれば、人間による厳密な確認が必要です。
しかし、今回扱ったのはWeb制作、SEO、DX、クラウド、マーケティング、アクセス解析などの基本用語です。
目的は、専門家向けの論文を書くことではありません。Webサイト運用に関わる担当者が、「この言葉はだいたい何を指すのか」を把握できる入口を作ることです。
そのため、長文で細かく説明することよりも、用語をカテゴリごとに整理し、短く意味を把握でき、サイト内に知識のまとまりを作り、関連コラムへつなげ、検索エンジンにテーマ性を伝えることを重視しました。
生成AIは、極端な表現や断定的な言い方を避ける傾向があります。そのため、用語集のように基本的な意味を短く整理する用途とは相性が良いと感じます。
ただし、用語のピックアップまで完全にAIへ丸投げすると、内容が薄くなったり、事業と関係の薄い単語が混ざったり、カテゴリが散らばったりします。
今回うまくいったのは、用語そのものは実務で使っていた一覧をこちらから渡したからです。
何を扱うかは人間が決める。意味の整理とページ化はAIに任せる。この分担が重要でした。
用語集は検索流入の導線である
今回、用語集を作った目的は、用語を解説すること自体ではありません。
本来の目的は、用語集というコンテンツをサイト内に置き、検索エンジンにインデックスさせることで、サイト流入の導線を増やすことです。
Webサイト運用、SEO、DX、クラウド、生成AI、AppSheet、アクセス解析、Web制作プロジェクトなどの用語は、それぞれ単体でも検索される可能性があります。
そうした検索入口をサイト内に持つことで、まだTime合同会社を知らないユーザーが、用語検索をきっかけにサイトへ流入する可能性が生まれます。
ただし、用語を1ページにすべて詰め込めばよいわけではありません。
572語を1ページにまとめてしまうと、ページの方向性がばらけます。検索エンジンから見ても、そのページが何についてのページなのか判断しづらくなります。
読者にとっても、目的の用語を探しにくくなります。
そのため今回は、用語集をカテゴリごとに分け、それぞれ別ページとして作成しました。
Webサイト運用関連、SEO・検索関連、生成AI・ChatGPT関連、DX・業務改善関連、インフラ・ネットワーク関連、データベース・データ設計関連、Web制作プロジェクト関連、Web制作・解析ツール関連などです。
このようにカテゴリごとにページを分けることで、各ページが明確なテーマを持ちやすくなります。
1ページにすべての用語を詰め込むと、インデックスされても意味が薄くなり、場合によっては逆効果になる可能性があります。
カテゴリ分け、ページ分割、意味の補完、HTML化、sitemap反映まで、今回はすべてAIに任せました。
人間が行ったのは、実務で使っていた用語リストを渡し、このサイトのSEO導線として使える形にするという方向性を決めることです。
AIが工程間の受け渡しを消した
今回の大きなポイントは、AIが単に文章を書いたことではありません。
工程間の受け渡しをほとんど発生させず、一気通貫で処理したことです。
通常であれば、用語集をサイトに設置するだけでも、用語リストを整理する人、カテゴリを考える人、意味を調べる人、文章を整える人、SEO観点でページ分割を考える人、HTMLへ反映する人、リンクを確認する人、sitemapを更新する人、公開作業をする人、管理用のExcelを作る人に分かれます。
人が分かれるほど、確認、待ち時間、差し戻し、認識合わせが発生します。
今回短時間で進んだ理由は、AIがそれぞれの工程を個別に高速化したからだけではありません。
工程と工程の間にある受け渡しを、ほとんど発生させなかったからです。
用語リストを渡す。SEO導線としてカテゴリ分けする。意味を補完する。HTML化する。既存ページへ統合する。内部リンクとページ内アンカーを確認する。sitemapを更新する。HTMLからExcelへ戻す。GitHubへpushする。
この流れを、人間の担当者間で分割せず、一つの連続した作業として進められました。
その結果、572語、26ページの用語集を、実装、検証、公開作業まで含めて約95分で完了できました。
これは、単なる作業スピードの向上ではなく、制作工程そのものの圧縮です。
HTMLからExcelへ戻せる意味
今回、特に面白かったのは、作成済みのHTMLからExcelへ再出力できたことです。
従来であれば、Excelで用語一覧を作り、それをもとにWebサイトへ反映する流れが一般的です。
しかし今回は逆です。
Webサイトを作る
↓
AIがHTML構造を読み取る
↓
カテゴリ、用語、意味、URLを抽出する
↓
Excelへ再構造化する
つまり、Webサイトが後からデータベースのように扱える状態になったということです。
これまでのWeb制作では、先にきれいな管理表がないと作れないと考えがちでした。
しかし生成AIを使えば、まず公開可能なページを作り、その後にHTMLから構造化データを取り出すこともできます。
もちろん、最初から厳密なデータ設計が必要な場面もあります。ただ、小規模なオウンドメディアや用語集、コラムサイトでは、作りながら整理し、後から構造化する進め方も現実的になってきています。
生成AI時代のホームページ制作で変わること
生成AIは、単に文章を書くための道具ではありません。
今回の作業では、文章生成だけでなく、カテゴリ分類、重複判定、意味の補完、表記ゆれの調整、HTML生成、既存ページへの統合、内部リンク確認、ページ内アンカー確認、sitemap更新、Excel出力まで行っています。
これは、従来であれば複数の担当者に分かれていた作業です。
もちろん、AIがすべてを正しく判断するわけではありません。最終的には、人間が方向性を決め、公開してよい内容か確認する必要があります。
ただし、制作工程のかなり大きな部分が圧縮され始めているのは確かです。
特に、用語集やコラムのように一定の型があり、構造化しやすいコンテンツでは、AIとの相性が非常に良いと感じました。
今回の対象は用語集でしたが、この考え方は記事一覧、FAQ、サービスページ、事例ページ、採用ページにも応用できます。
まとめ
今回の実験では、Time Columns内に用語集を設置し、最終的に572語、26ページ規模のTime Glossaryを作成しました。
サイト全体では、67HTMLページまで拡張されています。
初回の用語集立ち上げから最新追加までの実行時間は、コミット時刻ベースで約95分でした。
従来であれば、役割ごとに人が分かれ、工程ごとに日数がかかっていた作業です。
しかし生成AIとCodexを使うことで、用語の意味調査、カテゴリ分類、説明文作成、HTML生成、リンク確認、sitemap更新、Excel出力までを一気通貫で処理できました。
これは、ホームページ制作の工程が単に効率化されたというより、順番そのものが変わり始めているということです。
従来は、先に設計してから作る流れでした。
しかし生成AI時代には、まず作り、後からAIが整理するという進め方も現実的になっています。
ただし、AIにすべてを丸投げすればよいわけではありません。
今回うまくいったのは、実務で使っていた用語リストを人間が渡し、SEO導線として使える形にするという方向性を決めたからです。
素材と判断軸は人間が持つ。処理と構造化はAIに任せる。
この分担によって、ホームページ制作、SEO、ナレッジ管理は大きく変わっていくと感じています。
Webサイトは、ただの公開物ではなく、後から再構造化できる知識の集まりになりつつあります。
生成AIによって、ホームページ制作の工程は真逆になり始めているのかもしれません。
